昭和レトロな和食器から、明治・大正時代の洋食器まで、その独特のデザインや手仕事の温かみが再評価されているのです。

特にSNSをきっかけに若い世代のファンも増え、インテリアや日常使いとして人気が広がっています。

そこで本記事では、古食器ブームの背景や流行の傾向、さらに気になる買取相場について詳しく解説します。

売却や購入を考えている方はぜひ参考にしてください。

古食器ブームの背景と広がり

古食器が注目される主な理由

① SNSの普及による「写真映え」需要

InstagramやPinterestなどの写真共有型SNSの影響は非常に大きく、

• ヴィンテージ感のある器

• 古食器を使った食卓風景

• 昭和レトロな花柄食器

• 色ガラスの器

といったアイテムが「映える」投稿として高い人気を集めています。

特に、ノスタルジックで温かみのあるデザインは、

現代のシンプルな食卓に程よいアクセントを加えてくれる点が支持されています。

② サステナブル志向の高まり

近年は、

• 大量生産・大量消費からの脱却

• 既にあるものを長く大切に使う暮らし

といったサステナブル（持続可能）な価値観が広がっています。

古食器は、

• 新たに製造する必要がない

• 丈夫で長く使える磁器・陶器が多い

• 次の世代へ受け継ぐことも可能

といった点から、環境意識の高い層にも支持されているのが特徴です。

③ インテリア・ライフスタイルの多様化

カフェやレストランで古食器を使った盛り付けを目にする機会が増え、

• 食器＝実用品

• ではなく

• 食器＝暮らしを彩るデザインアイテム

と捉える人が増えています。

現在では、

• 食卓での使用

• 棚にディスプレイ

• 花器としての活用

• インテリア雑貨としての演出

など、用途の幅が広がっている点も古食器人気を後押ししています。

④ コロナ禍による「おうち時間」の充実

コロナ禍以降、自宅で食事を楽しむ時間が増えたことで、

• 日常を少しでも豊かにしたい

• 家で過ごす時間を楽しみたい

という意識が高まりました。

その結果、

• 雑誌

• テレビ番組

• SNS特集

などでアンティーク食器や昭和レトロ雑貨が多く取り上げられ、

古食器の認知度が一気に広がったのです。

⑤ 価格が手頃で始めやすい

古食器の魅力の一つが、価格帯の幅広さです。

• 高級ブランド食器 → 高値で取引

• 昭和の家庭用食器 → 数百円から購入可能

特に昭和期の日常食器は、

• 初心者でも手に取りやすい

• 気軽にコレクションできる

という点から、若い世代の参入を後押ししています。

古食器ブームは一過性ではない理由

古食器の人気は、単なる懐古趣味ではありません。

• 写真映えするデザイン性

• サステナブルな価値

• 暮らしを豊かにする実用性

この3つの要素が重なり合うことで、現代のライフスタイルに深く根付いた存在となっています。

今後も、世代を超えて支持される分野として、

古食器市場はさらに注目を集めていくと考えられるでしょう。

2. 若い世代に人気の昭和レトロ食器

昭和レトロ食器が古食器ブームの中心となっている理由

近年の古食器ブームの中でも、特に注目を集めているのが

**昭和時代に家庭で使われていた「昭和レトロ食器」**です。

戦後から高度経済成長期にかけて大量生産されたこれらの食器は、

当時の暮らしを色濃く映し出す存在でありながら、

現代の若い世代にとっては新鮮でユニークなデザインとして再評価されています。

昭和レトロ食器の主な特徴

① ポップでカラフルなデザイン

昭和レトロ食器の最大の魅力は、

現代のシンプルな食器にはない色使いとデザイン性です。

代表的なものには、

• 花柄の茶碗・湯呑み

• 昭和のコーヒーカップ＆ソーサー

• オレンジ・ブルー系のガラス食器

などがあります。

特に、

• 赤や黄色の花模様

• 大胆でどこか素朴なデザイン

は「昭和花柄」としてSNSでも人気が高く、

Instagramでは多くの投稿が見られます。

② ミルクガラス・プレスガラスの人気

素材面でも昭和食器ならではの魅力があります。

• ミルクガラス

• プレスガラス（型押しガラス）

といった食器は、

• ほんのり透ける白色

• 淡い色合い

• 厚みのある質感

が特徴で、懐かしさと温かみを感じさせます。

特に、

• 昭和の喫茶店で使われていたクリームソーダ用グラス

• 厚手のデザート皿

などは、近年のレトロ喫茶ブームとも相まって需要が高まっています。

③ 価格が手頃で始めやすい

昭和レトロ食器が若い世代に支持される大きな理由の一つが、

価格の手頃さです。

• 明治・大正期の骨董食器 → 高価でコレクター向け

• 昭和の家庭用食器 → 比較的安価

昭和食器は、

• 骨董市

• フリーマーケット

• リサイクルショップ

などで数百円から購入できることも多く、

学生や若い社会人でも気軽に集められます。

この点から、昭和レトロ食器は

**「手の届くアンティーク」**として、

古食器コレクションの入り口に最適といえるでしょう。

④ 現代のライフスタイルとの相性の良さ

昭和レトロ食器は、

• ナチュラルテイストのインテリア

• 北欧風の家具

• 木製のダイニングテーブル

とも意外なほど相性が良く、

現代の暮らしに自然に溶け込みます。

例えば、

• 木のテーブルに昭和花柄の器を合わせる

• レトロなガラス皿をインテリアとして飾る

だけで、

古民家カフェ風の温かみある空間を演出できます。

⑤ SNS映えする「暮らしを楽しむ道具」

SNS世代にとって重要なのが「写真映え」。

昭和レトロ食器は、

• ケーキ

• サンドイッチ

• 喫茶店風メニュー

との相性が良く、

昭和×令和が融合した独特の世界観を表現できます。

そのため、

• 食べるための器

• ではなく

• 暮らしを楽しむためのアイテム

として再評価されているのです。

⑥ 一点ものならではの希少性

昭和レトロ食器には、

• すでに生産されていないデザイン

• 廃業したメーカーのシリーズ

も多く存在します。

そのため、

• 同じ柄が二度と手に入らない

• 掘り出し物を探す楽しみがある

といった一点ものの魅力が、

コレクター心や探索欲を刺激しています。

昭和レトロ食器が人気の理由まとめ

昭和レトロ食器は、

• 安価で始めやすい

• SNS映えするデザイン

• インテリアとしても活用できる

• 希少性と一点ものの魅力がある

といった多面的な魅力を持ち、

古食器ブームの入口として最も人気の高いジャンルです。

これから古食器を楽しみたい方にとっても、

まずは昭和レトロの器から始めるのがおすすめといえるでしょう。

3. 注目される明治・大正期の洋食器

明治・大正期の洋食器が注目される理由とは？

古食器ブームの中でも、ひときわ存在感を放っているのが

明治・大正期に作られた洋食器です。

日本が西洋文化を積極的に取り入れ始めたこの時代に生まれた洋食器は、

和と洋が融合した独特のデザインが特徴で、

近年はコレクターやアンティーク愛好家から高い評価を受けています。

明治・大正期の洋食器が評価される主なポイント

① 輸出用として作られた高品質な洋食器

明治期、日本は陶磁器を欧米へ大量に輸出しており、

その中には以下のような高級洋食器も含まれていました。

• 細密な絵付けが施されたティーカップ

• 金彩装飾のあるディナーセット

• 欧米の食卓文化に合わせたプレートやポット

これらは、

• ヨーロッパ向けの形状

• 日本独自の美意識や技術

が融合した、**“東西融合の芸術品”**ともいえる存在です。

現在でも、

輸出用のティーカップやプレートはアンティーク市場で高値がつきやすい傾向にあります。

② アール・ヌーヴォー／アール・デコの影響

大正期に入ると、西洋の美術様式がさらに色濃く反映され、

• 曲線的で華やかなアール・ヌーヴォー調

• 幾何学的で洗練されたアール・デコ調

といったデザインの洋食器が登場しました。

これらの洋食器は、

• 時代性が明確

• 現代インテリアとも相性が良い

という理由から、

• アンティークショップ

• カフェ・レストランのディスプレイ

などでも需要が高まっています。

③ 高度な技術力と工芸的価値

明治・大正期の洋食器が高く評価される理由の一つが、

当時の職人による高度な技術力です。

特に注目されるポイントは、

• 手描きによる花鳥模様

• 繊細な金彩装飾

• 高度な磁器製造技術

など、現在では再現が難しい技法が多く用いられている点です。

一つひとつに個性があり、

単なる食器ではなく工芸品・美術品としての価値も備えています。

明治・大正期洋食器の買取相場について

高額査定が期待できるケース

以下の条件が揃うと、比較的高値がつきやすくなります。

• 有名窯元・ブランド品

• 輸出向けに作られた洋食器

• カップ＆ソーサーなどのセット品

• 未使用・美品に近い保存状態

これらの場合、

数万円〜十数万円で取引されることも珍しくありません。

日常使いの洋食器でも価値が出る場合

一方で、日常向けの器であっても、

• 珍しい絵柄

• 現存数の少ないシリーズ

• デザイン性の高いもの

であれば、

数千円程度の価値がつくケースもあります。

インテリア需要による相場上昇

近年は、古食器を以下のように活用する人も増えています。

• 明治のティーカップを花器として使用

• 大正期のプレートを壁掛けアートとして展示

• ショップやカフェのディスプレイ用途

このように、

「使う」だけでなく「飾る」価値が評価されていることも、

買取価格を押し上げる要因となっています。

明治・大正期の洋食器が持つ魅力まとめ

明治・大正期の洋食器は、

• 芸術性の高さ

• 当時の高度な技術力

• 現存数の少ない希少性

という三拍子が揃った古食器の王道ジャンルです。

流行に敏感な若い世代から、

長年の骨董愛好家まで幅広い層に支持されており、

今後もその価値は安定、もしくは上昇していくと考えられます。

4. 人気ブランドや窯元の古食器

古食器ブームの中で特に注目されるのが、ブランド力を持つ洋食器メーカーや、歴史ある窯元が手がけた食器です。

一般的な日常食器と異なり、知名度や歴史的価値を持つものはコレクション性が高く、買取市場でも安定した需要があります。

ここでは代表的なブランドと窯元を取り上げ、それぞれの特徴や買取相場について解説します。

西洋ブランドの古食器

まず外せないのが、ヨーロッパの名門ブランドです。

特に人気なのは以下のようなメーカーです。

• マイセン（Meissen）
  　世界最古の硬質磁器窯として知られ、18世紀から続く伝統を持ちます。繊細な花柄やブルーオニオンなどの代表的なシリーズは、今も根強い人気があります。買取相場はカップ＆ソーサーで数万円、セット品で数十万円に達することもあります。

• ウェッジウッド（Wedgwood）
  　英国王室にも愛されたブランドで、ジャスパーウェアなど独自のデザインが特徴です。状態が良ければ、アンティーク市場で1客数千円〜数万円での取引が期待できます。

• ロイヤルコペンハーゲン（Royal Copenhagen）
  　北欧を代表する陶磁器ブランド。ブルーフルーテッドシリーズなどは人気が高く、特にヴィンテージ品は高値で取引されます。

• ノリタケ（Noritake）
  　日本発祥ながら欧米向けに輸出されたことで知られるブランド。明治・大正期のオールドノリタケは、欧米コレクターからも高く評価されており、希少なものは数十万円の値がつくこともあります。

日本の窯元の古食器

一方で、日本国内の伝統窯元の食器も人気です。

• 有田焼（伊万里焼）
  　色絵磁器として世界中に知られ、江戸時代から輸出品として愛されてきました。明治・大正期の伊万里焼は特に評価が高く、保存状態によっては1枚数万円の価値がつくこともあります。

• 九谷焼
  　大胆な色絵や金彩が特徴で、コレクターの間で人気です。特に明治期の九谷焼は芸術性が高く、海外でも需要があります。

• 京焼・清水焼
  　京都で作られた清水焼は、上品で繊細なデザインが特徴。茶道具としての需要もあり、日常食器にとどまらない幅広い人気を誇ります。

• 美濃焼
  　日本一の生産量を誇り、昭和期の家庭食器として広く普及しました。中でもレトロ柄のプレートやカップは若い世代から注目され、フリマアプリなどでも人気があります。

ブランド・窯元による買取相場の傾向

人気ブランドや窯元の古食器は、保存状態・揃い具合・希少性によって相場が大きく変わります。

• 単品のティーカップでも、人気シリーズであれば数千円〜数万円。

• フルセット（ディナーセットやティーセット）は数十万円単位の査定が期待できる。

• 箱付きや未使用品であればさらに高額になる。

一方で、一般的な家庭用の古食器は数百円〜数千円の相場にとどまることが多いですが、人気窯元やブランドの名前が付くだけで評価が跳ね上がる傾向があります。

古食器市場において「ブランド力」は非常に大きな価値を持っています。

西洋ブランドの洋食器、日本の伝統窯元の器、どちらも歴史や技術の裏付けがあるため、コレクション性と実用性を兼ね備えています。

特に有名ブランドや窯元の古食器は、ブームが過ぎても安定した需要が見込まれるため、売却を考えている方にとっても有利なジャンルだといえるでしょう。

5. 日常使いとインテリア需要の高まり

古食器ブームを支えている大きな要因のひとつが、「実際に使える器」としての魅力と、「インテリアとして飾れる価値」の両面です。

従来、骨董品というと「壊れやすいから使わずに飾るもの」というイメージがありました。

しかし近年は、古食器を日常に取り入れるスタイルが広がり、暮らしを豊かにするアイテムとして注目されています。

日常使いで広がる古食器の楽しみ方

まず、食卓での活用です。

昭和レトロな花柄茶碗やガラス皿、明治・大正期の洋食器などは、今の料理とも不思議と相性が良く、普段の食卓を一段と華やかにしてくれます。

例えば、カフェ風の朝食に昭和のプレートを使えばノスタルジックな雰囲気が演出でき、和食に九谷焼の小鉢を合わせれば食卓全体に高級感が生まれます。

さらに、古食器は耐久性が高いものが多い点も魅力です。

磁器や陶器は丈夫で長く使えるため、ヴィンテージであっても十分に日常使いが可能です。

「使いながら楽しむ骨董」という考え方は、古食器ブームを支える新しい価値観といえるでしょう。

インテリアとしての古食器

同時に、古食器はインテリアアイテムとしての需要も高まっています。

• 壁にプレートを飾ってアートのように楽しむ

• ティーカップを花器として利用する

• 棚や飾り棚に並べて空間を彩る

こうした活用方法は、SNSで発信されるインテリア実例から広がり、若い世代にも支持されています。

特にアール・デコ調の洋食器や昭和ガラスのカラフルな器は、モダンな空間に合わせても違和感なく馴染み、アクセントとして活躍します。

また、古食器を使ったカフェやレストランも増えています。

おしゃれな飲食店で目にした食器をきっかけに、自宅でも取り入れてみたいと考える人が増えているのです。

こうした飲食業界での採用は、古食器の需要をさらに押し上げています。

サステナブルな価値との結びつき

現代においては「サステナブル消費」への関心が高まっており、その流れも古食器人気を後押ししています。

新しいものを買うのではなく、すでにあるものを再利用することは環境負荷を減らす行動でもあります。

古食器はデザイン性と実用性を兼ね備えつつ、持続可能なライフスタイルに貢献できるアイテムとして評価されているのです。

買取相場への影響

こうした「実用」と「インテリア」の需要拡大は、古食器の買取相場を押し上げる要因にもなっています。

これまではコレクター市場が中心だった古食器ですが、現在は一般ユーザーの需要が増えているため、状態の良い器は幅広い層から買い手がつきやすくなっています。

特にデザイン性の高い昭和レトロ食器や、華やかな洋食器はフリマアプリやオークションでも人気があり、数千円〜数万円の相場で安定して取引されるケースが目立ちます。

古食器は「鑑賞するもの」から「日常で使って楽しむもの」へと価値がシフトしています。

さらに、インテリアやカフェ文化との結びつきによって、生活を彩るアイテムとしての需要も拡大しました。

この流れは一過性のブームではなく、サステナブルな消費志向やSNS映え文化ともリンクしているため、今後も市場全体を底上げしていくでしょう。

6. 古食器市場の動向とネットオークションの影響

古食器ブームが広がる中で、市場の動向にも大きな変化が見られます。

従来は骨董店や専門の骨董市が中心だった古食器の流通ですが、近年はネットオークションやフリマアプリの普及によって、誰でも気軽に売買できる環境が整いました。

その結果、市場全体の裾野が広がり、価格の形成や需要の動きにも新しい傾向が生まれています。

古食器市場の拡大

まず注目すべきは、古食器を扱うプレイヤーが増えたことです。

• 骨董店やアンティークショップ

• フリーマーケットや骨董市

• ネットオークションやフリマアプリ

これらの販売チャネルが多様化したことで、古食器の流通量自体が拡大しました。

以前は専門店に足を運ばないと手に入らなかった器が、いまではスマホ一つで全国から探せるようになっています。

また、コレクターだけでなく一般ユーザーの参加も市場拡大を後押ししています。

昭和レトロのプレートやガラス食器などは、特に若い世代が「日常使い」や「写真映え」を目的に購入しており、実需が価格を押し上げる要因となっています。

ネットオークションの影響

特に影響が大きいのが、ネットオークションです。

ヤフオクやeBayといったプラットフォームでは、国内外のバイヤーが参加しているため、希少な古食器は競り上がって相場以上の価格がつくことも珍しくありません。

たとえば、オールドノリタケのティーセットや明治期の有田焼は、数十万円単位で落札されるケースもあります。

一方で、オークションは入札形式であるため、タイミングや出品方法によっては思ったほど価格が伸びないリスクもあります。

そのため、出品時には適切なカテゴリ設定・写真撮影・説明文が非常に重要です。

フリマアプリの影響

メルカリやラクマといったフリマアプリも、古食器市場の活性化に大きな役割を果たしています。

フリマアプリでは即決価格での販売が主流で、出品から購入までがスピーディーです。

昭和レトロのガラスコップやプレートなどは数千円前後で売買されやすく、初心者にとっても手を出しやすい環境になっています。

また、フリマアプリではユーザー間のレビュー機能が信頼性を高めており、安心して売買できる点が普及の要因となっています。

特に若い世代にとっては、骨董店よりも身近な購入手段といえるでしょう。

市場動向と今後の展望

市場の広がりにより、古食器の価格は以前よりも「透明化」してきています。

ネット上の取引履歴を調べれば、おおよその相場感がすぐに分かるため、売却を考える人にとっても参考になります。

その一方で、希少性の高い食器は国際的に競り合いが起きやすく、国内だけでなく海外需要によっても価格が動くようになっています。

今後は、

• 海外バイヤーによる購入増加

• フリマアプリでの個人出品者の増加

• 骨董店によるオンライン販売の強化

といった流れが進み、市場規模はさらに拡大すると予想されます。

古食器市場は、ネットオークションやフリマアプリの影響で大きく変化しています。

従来のコレクター市場に加え、若い世代や海外バイヤーも積極的に参加することで、需要が多層化し、価格形成もより活発になっています。

特にオンライン取引の拡大は、古食器をより身近な存在へと押し上げ、今後の相場上昇を後押しする要因になるでしょう。

7. 買取相場が高い古食器の特徴

古食器といっても、すべてが高額で取引されるわけではありません。

相場が数百円で終わるものもあれば、数十万円以上で落札されるものもあります。

その違いを生むのは、デザイン性・希少性・ブランド力・状態といった要素です。

ここでは買取相場が高くなりやすい古食器の特徴を整理してみましょう。

1. 有名ブランド・窯元の作品

もっとも分かりやすいのは、ブランド力のある食器です。

• 西洋ブランドでは「マイセン」「ウェッジウッド」「ロイヤルコペンハーゲン」など

• 日本では「有田焼」「九谷焼」「オールドノリタケ」「京焼・清水焼」など

これらは国内外で評価が高く、コレクター需要が安定しています。

特にオールドノリタケや明治期の有田焼は海外バイヤーからの人気も高く、数十万円規模の取引が行われることも珍しくありません。

2. セットが揃っているもの

古食器は揃い物ほど価値が高くなる傾向にあります。

ティーカップ＆ソーサー、ディナーセット、ティーセットなど、当時の形でフルセットが残っていると評価が上がります。

単品では数千円でも、セットで揃っていれば数万円〜十数万円に跳ね上がることもあります。

特にカップとソーサーが揃っているかどうかは査定の大きなポイントです。

3. 保存状態が良いもの

どれほど希少で有名なブランドの古食器でも、ヒビ・欠け・金継ぎの跡があると査定額は下がります。

反対に、未使用品や箱付きのものは高額査定につながりやすいです。

また、経年による汚れや色あせが少なく、当時の美しさを保っている食器は特に評価されます。

4. 希少なデザイン・限定品

同じブランドや窯元の中でも、製造数が少ないデザインや限定品は相場が高騰しやすいです。

たとえば、明治・大正期の手描き金彩の洋食器や、短期間のみ作られた柄シリーズなどはコレクターから強く求められます。

また、現代にはない技術や絵付け手法が用いられている器も高値がつくケースが多いです。

5. 海外需要のある食器

日本の古食器の中でも、特に海外で人気が高いジャンルは高額取引されやすい傾向にあります。

オールドノリタケや九谷焼はその代表例です。

海外のバイヤーはデザイン性や工芸的価値を重視するため、希少性と相まって国内相場より高い金額がつくこともあります。

6. 時代背景を反映したもの

明治・大正期の輸出向け洋食器や、昭和レトロブームで再評価されているカラフルなガラス食器など、時代背景とリンクしたデザインは需要が高まります。

単なる実用品としての価値ではなく、文化的・歴史的な価値を帯びているため、アンティーク市場での人気も継続しやすいのです。

買取相場が高い古食器には、

1. 有名ブランド・窯元の作品

2. セットで揃っているもの

3. 保存状態が良いもの

4. 希少なデザインや限定品

5. 海外需要があるもの

6. 時代背景を反映したもの

といった共通点があります。

これらの条件を満たす古食器は、査定時に高額評価されやすく、相場も安定しています。

もしご自宅に眠っている古食器があるなら、これらの特徴と照らし合わせて価値を判断すると良いでしょう。

8. 実際の買取相場の目安

古食器の買取相場は、ブランド・時代・保存状態・需要によって大きく変動します。

しかし全体の市場傾向を見ると、ある程度の「目安」が存在します。

ここではジャンルごとに一般的な相場感をご紹介します。

昭和レトロ食器

近年のブームを牽引している昭和レトロ食器は、手頃な価格帯から始めやすいジャンルです。

• 花柄茶碗やプレート　500円〜3,000円程度

• ガラス食器（クリームソーダ用グラスやカラフルな器）　1,000円〜5,000円

• セット品や希少デザイン　5,000円〜10,000円以上

特に未使用で元箱がある場合や、当時の人気メーカー（ナルミ、ノリタケの国内ラインなど）は評価が高まります。

明治・大正期の洋食器

芸術性が高く、海外需要もあるため相場は高めです。

• 単品のティーカップ＆ソーサー　5,000円〜30,000円

• フルセット（ティーセット・ディナーセット）　50,000円〜200,000円以上

• 特に輸出用や金彩・手描きの豪華なものは数十万円規模で取引されることもあります。

保存状態が良く、セットが揃っているほど高額査定につながります。

有名ブランドの古食器

ヨーロッパブランドや日本の伝統窯元は相場が安定しています。

• マイセン、ロイヤルコペンハーゲン　1客 10,000円〜50,000円

• ウェッジウッド、ヘレンド　5,000円〜30,000円

• オールドノリタケ　数万円〜100万円クラス（希少品）

• 有田焼・九谷焼：1,000円〜数万円（作家物はさらに高額）

特に海外バイヤーが積極的に購入するオールドノリタケや明治期の有田焼は、国内よりも高く売れる場合があります。

日常使いの骨董和食器

日常的に使われていた古い茶碗や湯呑み、小皿なども需要があります。

• 一般的な和食器　数百円〜数千円

• 人気デザインや希少シリーズ　5,000円〜10,000円

• 茶道具や特定作家のもの　数万円〜数十万円

特に茶道具は専門性が高いため、専門業者に査定を依頼することで高額取引につながる可能性があります。

高額査定につながる条件

相場の目安に加えて、次の条件が揃うとさらに査定額が上がります。

• 箱付き・未使用品

• セットが揃っている

• 破損やヒビがなく保存状態が良い

• 人気の窯元やブランド

• 海外で需要が高いシリーズ

逆に、ヒビや欠けがあると数割減額されるケースが多いため、売却前には状態確認が重要です。

古食器の買取相場は、昭和レトロなら数百円〜数千円、明治・大正期や有名ブランド品なら数万円〜数十万円と幅広く存在します。

特に人気ブランドやセット品、状態の良いものは高額査定が期待でき、海外需要も相場を押し上げる要因となっています。

売却を考える際には、自分の古食器がどのジャンルに当てはまるのかを確認し、適切な査定先を選ぶことが重要です。

9. 高く売るためのコツと注意点

古食器を売却する際、同じ器でも査定のされ方や売り方次第で価格は大きく変わります。

特に古食器はデザインや状態によって評価が左右されやすいため、売却前の準備や販売方法を工夫することが重要です。

ここでは、高く売るためのコツと注意点を具体的に解説します。

コツ1. 保存状態を整える

査定で最も重視されるのは状態の良さです。

ホコリや汚れが付いたままだと印象が悪く、減額につながる可能性があります。

• 中性洗剤で優しく洗浄する

• 水分をしっかり拭き取り、乾燥させる

• 元箱がある場合は必ず一緒に出す

ただし、ヒビや欠けがある場合は無理に補修せず、現状のまま提示した方が信頼性が高まります。

コツ2. セットでまとめて売る

ティーカップ＆ソーサーやディナーセットなどは、揃いで出すほど評価が高くなる傾向があります。

単品よりもセットの方が需要が高く、コレクション性も強いため、結果的に高額査定が期待できます。

バラで保管している場合でも、できるだけ元の組み合わせを探して揃えてから売却すると良いでしょう。

コツ3. 写真と情報を充実させる

ネットオークションやフリマアプリで売る場合、写真の質と情報量が価格を左右します。

• 複数の角度から撮影する

• ブランド刻印や裏印を明確に写す

• サイズや製造時期をできる限り記載する

特に裏印（バックスタンプ）はブランドや年代を判断する大きな材料となるため、鮮明に見える写真を用意することが大切です。

コツ4. 売却先を選ぶ

古食器の売却方法は主に3つです。

1. 骨董店や専門店
   ブランドや年代を正しく見極めてもらいやすい。希少品なら高額査定の可能性がある。

2. ネットオークション
   競り合いによって相場以上の価格になることがある。海外バイヤーも参加するため希少品向き。

3. フリマアプリ
   スピーディーに現金化できる。昭和レトロ食器や手頃なアイテムに向いている。

自分の持っている食器の特徴や価値に合わせて、最適な売却先を選ぶことがポイントです。

注意点1. ヒビや欠けは正直に伝える

欠けやヒビを隠して出品すると、後からクレームにつながりやすく、信頼を失う原因になります。

特にネット取引ではトラブルの元になるため、必ず状態を明記しましょう。

注意点2. 相場を事前に確認する

同じブランドやデザインでも、出品のタイミングや市場の流行によって相場は変動します。

ヤフオクやメルカリなどで過去の落札価格を調べておくと、適正な販売価格を設定しやすくなります。

注意点3. 梱包と発送に気を配る

古食器は割れ物であるため、発送時の梱包が非常に重要です。

• プチプチで二重三重に包む

• ダンボール内に緩衝材をしっかり詰める

• 「ワレモノ注意」「天地無用」などのシールを貼る

輸送中の破損はトラブルの原因となり、場合によっては返金対応になるため細心の注意が必要です。

古食器を高く売るためには、

1. 状態をきれいに整える

2. セットでまとめて売る

3. 写真や情報を充実させる

4. 売却先を選び分ける
   ことが大切です。

加えて、欠けやヒビを隠さず正直に伝えること、相場を調べて価格を決めること、梱包に細心の注意を払うことも忘れてはいけません。

これらを意識すれば、古食器の価値を最大限に引き出し、満足のいく取引につながるでしょう。