家に眠っている古い食器、本当に売れるのか気になったことはありませんか？
実は、アンティークやブランド食器、昭和レトロな器などは今も需要が高く、高値で取引されるケースがあります。

特に「ブランド名」「状態」「希少性」といった要素によって、価値が大きく変わります。

この記事では、古い食器が売れる理由から、買取で注目されるポイント、実際の相場の目安までわかりやすく解説します。

古い食器は売れる？需要が高まる背景

近年、「古い食器を売りたい」という相談が増えています。

なぜ今、古い食器が注目されているのでしょうか。その背景には、いくつかの大きな理由があります。

１つ目の理由

アンティークやヴィンテージ食器の人気が再燃していることです。

洋食器であればマイセンやウェッジウッドといった海外ブランド、和食器では九谷焼や伊万里焼といった伝統工芸の器が、国内外のコレクターから高い評価を受けています。

特に海外では、日本独自の繊細な絵付けや意匠に魅了される人が多く、欧米やアジアの市場で安定した需要があります。

２つ目の理由

昭和レトロブームの拡大です。

昔ながらの喫茶店で使われていたコーヒーカップや、昭和の家庭で親しまれてきたガラス食器は、若い世代の「レトロ可愛い」志向にマッチし、フリマアプリやオークションで高値で取引されることも少なくありません。

特に「アデリアグラス」や「ナルミ」「ノリタケ」など、当時の大衆向けブランドの製品は再評価が進んでいます。

３つ目の理由

サステナブル志向の高まりです。新しい物を買うよりも、歴史や思い出が詰まった古い物を大切に使いたいという価値観が浸透しています。

リユース市場が拡大し、古い食器を「ただの不用品」として処分するのではなく、「資産」として扱う考え方が広まっています。

また、高齢化に伴う遺品整理や生前整理の需要も、古い食器の市場拡大に影響しています。

婚礼食器セットや贈答用の高級皿、普段は使わずに戸棚に眠っていた和洋食器などが次々と市場に出てきており、思わぬ高額査定につながるケースも増えています。

このように、古い食器が売れる背景には「コレクター需要」「昭和レトロ人気」「サステナブル志向」「整理需要」という4つの流れがあります。

単に古いから価値がないのではなく、逆に「古さ」が個性や魅力につながっているのです。

つまり、家に眠っている古い食器の中にも、思わぬお宝が隠れているかもしれません。

まずは一度、需要のある種類やブランドを知り、価値を確認してみることが大切です。

高額買取が期待できる古い食器の種類

古い食器といっても、すべてが高額で取引されるわけではありません。

しかし、特定のブランドや産地、デザインを持つ食器は市場で人気が高く、思わぬ査定額がつくことがあります。

ここでは代表的に「ブランド食器」「和食器」「昭和レトロ食器」の3つに分けてご紹介します。

① ブランド食器（洋食器）

まず注目すべきは、ヨーロッパを中心とした海外の高級ブランド食器です。
代表的なものには以下があります。

• マイセン（Meissen）
  世界最古の磁器ブランド。精緻な花柄やブルーオニオンなどは不動の人気。

• ウェッジウッド（Wedgwood）
  英国王室御用達ブランド。ジャスパーウェアなど独自デザインはコレクター需要が高い。

• ロイヤルコペンハーゲン（Royal Copenhagen）
  北欧デザインの象徴的ブランド。ブルーフルーテッドシリーズは定番人気。

• バカラ（Baccarat）
  フランスの高級クリスタル。グラスやデキャンタは中古市場でも高額取引。

こうしたブランドは、状態が良ければ単品でも高額査定が期待できます。

特に廃盤になったデザインや限定コレクションは希少価値が上がり、コレクターが探し求めています。

② 和食器（伝統工芸品）

日本の伝統工芸による陶磁器も、古いほど価値が高まる傾向があります。

• 九谷焼
  鮮やかな色彩と力強い絵付けが特徴。特に古九谷様式は高額取引されやすい。

• 伊万里焼（有田焼）
  江戸時代から海外に輸出された歴史を持ち、骨董市場で人気。染付や金彩が入ったものは評価が高い。

• 備前焼
  釉薬を使わない渋い風合いが特徴。茶器や花器として重宝され、陶芸愛好家から根強い人気。

• 京焼・清水焼
  京都で生産される華やかな食器。作家物や銘入りの作品は高額査定になりやすい。

和食器は「作家の銘」「時代背景」「焼き方や文様」によって価値が変わります。

特に有名作家や人間国宝の作品は、国内外で高い需要があります。

③ 昭和レトロ食器

近年、急速に人気を伸ばしているのが昭和時代の食器です。

日常的に使われていた物が、今では「レトロ可愛い」として再注目されています。

• アデリアグラス
  カラフルな花柄やフルーツ柄が若い世代に人気。

• ナルミ・ノリタケ
  かつて家庭で愛用された洋食器ブランド。今ではヴィンテージとして評価。

• 喫茶店カップ＆ソーサー
  昭和喫茶で使われていた厚手のカップは、コレクターが集めています。

一見「安物」と思えるような食器でも、当時のデザインや雰囲気に魅力を感じるファンが多く、フリマアプリやアンティークショップで意外な高値がつくこともあります。

古い食器の中でも高額買取が期待できるのは、

• 世界的に知られるブランド洋食器

• 日本の伝統工芸による和食器

• 若い世代にも人気の昭和レトロ食器
  この3つに大別できます。

特に保存状態が良く、付属品（箱・証明書）が揃っている場合は、さらに査定額が上がる可能性があります。

食器の価値を左右するポイント

古い食器の価値は「年代が古いから高い」「有名ブランドだから高い」という単純な基準だけでは決まりません。

実際の査定ではいくつかの要素が複合的に判断され、そのバランスによって金額が大きく変わります。

ここでは特に重要な3つのポイントを解説します。

① 保存状態の良し悪し

最も重視されるのは、やはり食器のコンディションです。

• 欠けやヒビがないか

• 金彩や絵付けが擦れていないか

• 汚れやシミがなく清潔か

といった部分が厳しく確認されます。

例えば、マイセンやロイヤルコペンハーゲンなどの洋食器は、わずかなキズでも査定額が大きく下がってしまいます。

逆に、数十年経っていてもほとんど使用されていない状態であれば、高額査定が期待できます。

また、ガラス食器の場合は「曇り」が出ていないかも重要です。透明度が高いほど、美観を保っていると評価されます。

② 箱や付属品の有無

次に影響するのは、付属品の有無です。

• ブランドロゴ入りの化粧箱

• 保証書や説明書

• セット販売時のプレートや仕切り

これらが揃っているだけで査定額は大幅に変わります。

特に高級ブランドの食器は「箱付き」「未使用品」といった条件が揃うと、コレクターからの需要が高まりやすいのです。

一方で、箱がなくても本体の状態が良ければ買い取り対象になりますが、数割程度査定額が落ちるのが一般的です。

もし箱を取ってある場合は必ず一緒に査定に出しましょう。

③ デザインや製造年代の希少性

最後に重要なのが、希少性です。

• 廃盤になったデザイン

• 数量限定で販売されたシリーズ

• 明治・大正・昭和初期など古い時代の器

• 有名作家や人間国宝が手掛けた作品

こうした特徴がある食器は市場で探している人が多く、高額で取引されやすい傾向にあります。

例えば、ウェッジウッドの「ジャスパーウェア」の限定色や、伊万里焼の初期作品などは骨董品として価値が跳ね上がります。

また、近年は「昭和レトロデザイン」の人気も高く、当時の喫茶店で使われていたカップやプレートなども希少性という観点で注目されています。

食器の価値を左右する大きな要素は、

1. 保存状態（欠け・ヒビ・汚れの有無）

2. 付属品（箱や証明書の有無）

3. 希少性（限定品・廃盤品・作家物）

この3点です。つまり、同じブランドの同じシリーズであっても、保存状態や付属品の有無によって査定額は何倍も変わることがあります。

家に眠っている食器を「どうせ使っていないから価値はない」と決めつける前に、これらのポイントを踏まえて一度査定に出してみることをおすすめします。

古い食器を高く売るコツ

古い食器を手放す際、「少しでも高く売りたい」と思うのは自然なことです。

実は、売り方や準備の工夫次第で査定額は大きく変わります。

ここでは、古い食器を高く売るための具体的なポイントを解説します。

① 専門店や骨董品買取業者を選ぶ

リサイクルショップに持ち込む方も多いですが、食器に関しては専門知識を持つ買取業者に依頼するのが基本です。

• ブランド食器なら → ブランド食器専門店

• 和食器や骨董なら → 骨董品買取業者

• 昭和レトロ食器なら → アンティークショップやフリマアプリ

といったように、売る相手を選ぶことで査定額は数倍違ってくることもあります。

特に海外ブランドや伝統工芸の食器は、相場を正しく判断できる専門業者に依頼することで、価値をきちんと評価してもらいやすくなります。

② オンライン査定や複数査定を活用する

最近では写真を送るだけで査定してもらえるオンライン査定サービスも増えています。

手軽に比較ができるため、複数業者に依頼して相見積もりを取るのがポイントです。

一社だけに依頼するよりも、複数査定を経て価格差を確認することで「適正価格」を把握でき、安売りを防げます。

③ まとめ売りで価値を高める

単品ではあまり値がつかない食器でも、セットでまとめ売りすると評価が上がるケースがあります。

• カップ＆ソーサーをペアで出す

• 一客ごとよりも6客セットで売る

• 同じブランドでシリーズをまとめる

といった工夫で需要が高まりやすく、結果的に高値につながります。

特にブランド洋食器は「セットで揃っているかどうか」が査定基準の大きなポイントになるため、まとめて出すのがおすすめです。

④ 需要のある時期を狙う

食器にも需要が高まるタイミングがあります。

• 年末年始や引っ越しシーズン → 贈答品やセット需要が増える

• 春の新生活シーズン → 食器の買い替えニーズが高まる

• 海外観光シーズン → 和食器の需要が増える

このように「売る時期」を見計らうことで、思った以上に高値がつくことがあります。

⑤ 状態を整えてから査定に出す

査定に出す前に、軽くクリーニングするだけでも印象が変わります。

• ホコリや汚れを落とす

• グラスの曇りを拭き取る

• 箱や付属品を揃える

といった準備で見栄えが良くなり、評価がアップします。

ただし、骨董品やアンティークの場合は「素人の手で磨くと逆に価値を下げる」ケースもあるため、あくまで簡単な清掃にとどめることが大切です。

古い食器を高く売るためには、

1. 専門業者に査定を依頼する

2. 複数の査定を比較する

3. セットやまとめ売りを活用する

4. 需要のある時期を狙う

5. 状態を整えて査定に出す

この5つを意識することが重要です。ちょっとした工夫で査定額は大きく変わるため、安易に手放さず、じっくり売却方法を考えることが成功のポイントです。